Psersonal record of experiences

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2013.9.20

それはかならずしも遠方とは限らない。

ある、光。

今月 最初の金曜日、私は夜行バスに乗って北九州へ向かった。

「今朝、7時頃に江島さんは息を引き取られました。」
そのメールを見たのは金曜のお昼。仕事の合間だった。

江島さんはバーのマスターで、絵を描く人。
お店のドアを開けると、まるで昨日会ったばかりのように
「よう。」とタバコを吹かしながら右手を上げて挨拶をしてくれる。
「そんな重いモン背負って、東京からこんなところまで よー来るナァ。」
まだ誰も居ないお店で 江島さんといろんな話をした。
「お前そのままでいろよ。絶対、なにがあっても。」
会う度によく そう言われた。

夜行バスで北九州に向かう前日、江島さんが夢に出て来た。
わたしたちは海辺で話をしている。
波が足をさらうたびに少しずつ身体が海に溶けていく。
最後には身体 全部が海に溶けてしまって、私は大きな声で隣にいたはずの江島さんを呼んだ。
「江島さん、どこー」
「いつでも ここにいるよ。」
と声が聴こえて、「あぁ、いつでもここにいるのか。」と安心したところで目が覚めた。

「旅」という言葉を辞書で引くと
〝自分の家を離れて、一時他の場所に行くこと。必ずしも遠方とは限らない〟とあった。
わたしたちはいつだって、距離も時間も飛び越えることができると思う。
想いを馳せれば会いに行ける。なんて言ったらロマンチックすぎるかもしれないけど
日常を旅するための引き出しを増やすために 人と出会い、別れ、愛を知って、思い出を増やすのだ。

美しい満月を眺めながら、今夜は記憶の旅に出る事にする。
あの人へ会いに。

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