あの鐘を鳴らすのはあなた。

  • 2015.2.22

予定日より20日ほど早く、無事出産を終えた。

忘れないうちにお産の感想というか、記録を残しておこうと思う。

朝起きて何か様子がおかしいぞ、と破水に気付く。
身体が自分の思い通りにいかないこの感じ。

やはりもう一人の人間が身体の中にいるんだなぁ。と、自分の意思とは別の意思を
感じる。

病院に行くも陣痛が進まず、当日の出産はないでしょうとのこと。
…が、徐々に痛くなり夜には本陣痛というものが。

「陣痛は気絶するほど痛い!」と聞いていたので、いつもっと痛くなるのか
ドキドキしている内にお産は終わっていた。

痛いんだけど、痛い時間は1分〜1分半と決まっていたのでその間頑張れば…!
という気持ちで乗り切った感じ
。部活の練習に似ていた気がする。
(比較するものじゃないけど、妊娠中になった尿管結石&腎盂腎炎の方が個人的に
辛かった…。)

お産は神秘的な体験だった。
いきむ時に鼻に抜けていく声が、響きが、自分のものではないようで
まるで自分の身体が楽器になったような感覚が印象的だった。

いきむ時に「いい音」が鳴ると身体が楽なのだ。

今度こそ「いい音を!」と身体という楽器をうまく鳴らそうとしている内にお産は
終わっていた。

いま振り返ると自分の身体に振動する響きでトランス状態になっていたように思う。
(立ち会った夫は「ことばとも呻きとも違う、神様の音を奏でているようだった。」と感想を述べている。感じていたことは一緒だったか…!と少し嬉しくなった。)

出産を終えたあと、胎盤を見せてもらう。
わたしの身体で育まれ、わたしと息子を繋いでいたもの。
一方はこれから成長し続け、もう一方は役目を終えて捨てられていく。
自分の身体の中に「ハレとケ」のようなものが内在していたのだ。

赤黒くテラテラと光る胎盤に「ありがとう」と「お疲れ様」を告げ
処分してもらった。

自分の内臓を見るなんてなかなかない機会なので、繁々と眺める。
そうだ。わたしは動物だったのだ。
この人生の中の宝物がまたひとつ増えた。
あたらしい日々がまた始まる。

力強く、ひかりに満ちたこの道をまっすぐ進むのだ。