Psersonal record of experiences

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2015.7.30

あの日々。

ある、光。

8月18日〜23日のあいだ、写真展を開催します。
タイトルは「光にふれる」です。

この作品について少しお話しを。
2013年が始まった頃、わたしは結婚をして妻になりました。
今思えばその前から兆候はあったのですが、結婚して少し経った頃
夫が鬱病になりました。
「生きる光が見えない。生きていくのがつらい。」力なく絞り出すような声で呟く
彼の顔を見たときの気持ちは今でも忘れることができません。

わたしにできることはなんだろう。
悩んだ末に辿り着いた答えは、わたしの目に映る光を彼に見せることでした。
共に暮らす日々を。共に眺めた景色を。わたしが感じた美しさや、尊さを。
彼が失ってしまった光を取り戻したくて、
わたしにとっての光はあなたなのだと気付いて欲しくて、
光にふれて欲しくて。懸命に写真にとどめました。

愛する人に「死にたい」と言われる悲しさ。
〝もしも衝動的に命を断ってしまったら…〟と想像して泣きながら走って帰った
会社からの帰り道。
口にした瞬間、宙に浮かぶ励ましの言葉。一向に良くならない現状。
次第にわたしの心も暗くなっていきました。
どんな顔をしたらいいかわからず、遠回りして帰った日もありました。
長いトンネルに迷い込んでしまったようなあの日々。
トンネルの隙間からうっすらと差し込む光を探して不安から目を背けるように、
何かから逃げるようにファインダーを覗いていた日々。

幸いにも少しずつ夫は元気になっていきました。
会社にも行けるようになりました。
笑顔が増えていきました。
そして、わたしたちは新しい命を授かりました。

あの頃の写真を振り返った時、そこに写っていたのはなんでもない光景でした。
帰省したときに散歩した瀬戸内海。旅行したときの夜空。
友人夫婦の姿。ベランダからの景色や洗濯物。
「笑って!」と言っても上手く笑えない夫の姿。
なんで撮ったんだろう。と自分でもよくわからない写真もありました。
暗闇のなかで一生懸命手を伸ばしてつかまえた光たち。

迷ったり、悩んだり、落ち込んだり。
暮らしていく中で、ふと暗く深いトンネルに迷い込んでしまうことは誰にだって
あると思います。
そんな時、光を見つけるヒントになれば良いな。と思い
今回この作品を展示するに至りました。
長くなりましたが、この作品たくさんの方に見て頂きたいです。
もがきながらも積み重ねたその日々は、光にあふれているはずだから。

阿部萌子 写真展「光にふれる」
会期:2015年8月18日(火)〜23日(日)
時間:12:00~19:00 
   ※ 最終日は17時までとなります。
会場:Roonee247photography
住所:東京都新宿区四谷4−11みすずビル1F
電話:03-3341-8118

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comments

はこふぐ

2015年7月31日 at 3:47 AM

Reply

はじめまして。
Twitterからたどり着きました。
息を呑むようや美しい写真に心を鷲掴みにされました。
すてきなブログ、ゆっくりこれから辿って読ませていただきたいです。

    moko

    2015年7月31日 at 11:22 AM

    Reply

    はじめまして。コメントありがとうございます。
    人の目に触れる場所に自分の文章が出ていることを
    改めて意識すると少し気恥ずかしいですが、とても嬉しいです。
    よろしければ展示にも是非いらしてください。
    これからもどうぞよろしくお願いいたします。

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