Psersonal record of experiences

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2016.4.16

アンモナイトが見る夢は。

ある、光。

「誕生日には、アンモナイトが欲しいな。安いやつでいいから。」
散歩先で見つけた雑貨屋さんで夫にそんなことを言った。
そこには1,500円の価格シールが貼ってあるアンモナイトが置かれていた。

アンモナイトを見ると思い出すことがある。
わたしが5歳の時。家族旅行でぶどう狩りに行った時のことだった。
「今日のお洋服はこれを着てね。」と、母が差し出してきたのは母が作ったであろうお揃いのアンモナイト柄のワンピースだった。
私は黒。母はくすんだオレンジ色のような赤茶色。そして散りばめられた白いアンモナイト。
当時、わたしはスカートを履くことを極端に嫌っていた。
そしてなぜか、母のことも嫌がっていた。
「おかあさんみたいにはなりたくない。」「おかあさん、お化粧しないで。」「おかあさん、きらい。」
そんなことばかりを言っていた記憶がある。
小花柄のように小さいアンモナイトが散りばめられたワンピースは、結局着なかった。

なぜあんなに嫌だったのだろう。
いま思えばシンプルなAラインのワンピースで、アンモナイトの柄も 色もカッコよかった。
母のセンスは今も昔もオシャレだった。
それなのに、なぜ。

今日 わたしは32歳になった。
ふと思い出したら、当時の母と同じ年齢だ。
彼女は、当時どういう気持ちで母親と妻と女のバランスをとっていたのだろうか。
わたしは何度彼女の気持ちを踏みにじってきてしまったのだろうか。
どんなに嫌でも、母の着てほしかった服を着てあげればよかった。
素直に「ごめんね」も言えないわたしは、相変わらずかわいくない娘だと思う。
せめてアンモナイトを側に置いて夢の中でお揃いのワンピースを着たい。

お母さん、ごめんね。いまも昔もだいすきです。
産んでくれてありがとう。
アンモナイトを撫でながら呪文のように繰り返すわたしは、きっとずっとこどもの姿のままだ。

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