Psersonal record of experiences

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2016.4.16

花束を君に。

ある、光。

毎日、朝ドラを見ている。
4月から始まった「とと姉ちゃん」。
オープニングの主題歌が宇多田ヒカルということで話題になっていた。
“普段からメイクしない君が薄化粧した朝”
出だしのこのフレーズを聴いて涙が止まらなくなってしまった。

わたしの母には、母親がいない。
その母にとって母親のような存在の姉がいた。
彼女はわたしが13歳の時に50歳という若さでこの世を去ってしまった。
最期の別れの日。
母が、彼女に死化粧をした。
「元が綺麗な人だから、薄くお化粧するね。」
そういって冷たくなった彼女の唇に泣きながら紅をひく母の姿。
あの光景をいまもはっきりと覚えている。

宇多田ヒカルの歌を聴いて、その景色が浮かんだ。
「これは、彼女と母親の最期の日の歌だ。」
そう思った。

“花束を君に贈ろう
愛しい人 愛しい人
どんな言葉並べても
君を讃えるには足りないから
今日は贈ろう 涙色の花束を君に”

深い悲しみに潜った日のことを、こんなに優しい声で歌える日が来たんだ。
突然やってきた母との別れ。そして、彼女は母になった。
悲しいことを「悲しい」と言えるのは、それを受け止めて溶かしてくれる人がいるからだ。
彼女は、ようやくそういう場所を手に入れたんだ。
そして、こんなに明るく優しい歌として放つことができた。
そう思うとまた、涙が止まらなくなるのだ。
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