Psersonal record of experiences

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2016.9.15

分け合うことが人生。

ある、光。

忘れたい、忘れられない、忘れない、忘れてる。
愛したい、愛したくない、愛せない、愛してる。

先日、喫茶店で日本語を勉強しているであろう赤毛の男性がブツブツと呟いていた。
やたら深い言葉に聞こえて、ハッと顔を見たら目が合った。
ニコリと笑って「ニホンゴムツカシネー」と、真っ白い綺麗な歯を覗かせて笑った。

展示のフライヤーを持っていたので渡した。
わたしが撮った写真を眺めて「ウーン、セツナイネ。ココ、キュッテナルネー」
と、胸をキュっと握った。
異国の地でコミュニケーションをとるとはどういうことだろう。

頼んでいたトーストが届いた。
「ねえ、一緒に食べようよ。コーヒー、おかわりする?」
うれしそうに彼は頷いた。
「モイコ(モエコって発音しにくいみたい。)ハ、イツモ コウ?」

そう、わたしはすぐそうやって誘ってしまう。
友達や、隣の席に座って少し話した人。カウンターの隣に座った人。
目が合って一言二言交わしたら「一緒に食べる?」と、聞いてしまう。
みんなで食べると楽しいし、美味しい。大したものは作れないくせに、やたら自宅に人を招いてしまう。
声をかけられた人が困ったりするから、最近少し気をつけるようにしていることを彼に伝えた。
「Share is live.モイコハ ドコイッテモ ダイジョーブ!」
そう彼は笑った。

出会う人は自分の分身で。
自分がする体験や、してきた経験。持っているものやこと。を〝分ける〟ことは
自分に与えることと同じだそうだ。
聞いたところ、彼はスペインで生まれ育ったらしく、その土地ではそういう教えがあるらしい。
「分け合うことは生きること。」
わかりやすく言えば物だろう。
でも、それに限らず 体験を、知識を、経験を。
そして愛情を。時間を。
分け合って生きていく。分け合うことが人生になっていく。

カタコトの日本語できちんとコミュニケーションが取れたのかはわからない。
しかし、彼がわたしの写真を見て「セツナイ」と胸を抑えた瞬間に
心が通じ合った気がした。
赤毛で、迷いなくスっと伸びた鼻を触りながら嬉しそうに話す彼はとても可愛かった。
別れ際、彼は目を細めてこういった。
「ニホンキテ ヨカッタ」

コーヒー3杯とトースト。
一人 千円もしない料金で得難い体験をした。
〝それはかならずしも遠方とは限らない〟
旅人は、日常に旅をもたらしてくれる。
名前、聞かなかったな…。と、別れたあとに後悔したけど。
きっとまたどこかで会える気がする。

彼が教えてくれたように、出会う人が自分の分身だとしたら。
どうやらわたしは だいぶ素敵な人間らしい。

惜しみなく自分の持っているものを分け与えたい。
そうやって、強くなっていきたい。
そうやって、生きていきたい。
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