Psersonal record of experiences

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2016.9.15

彼女について。

ある、光。

彼女に出会ったのは、2013年9月のこと。
「服の展示があるらしいよ。」と、かつてわたしも作品を展示したことのあるギャラリーへ夫を連れて向かった。
一向に進まない結婚式の準備。
元気にならない夫の気持ち。
ウェディングドレスが似合わないわたしの顔つき。
なにもかもが〝暗礁に乗り上げていた〟時期だった。

ギャラリーに入ると一着のドレスが展示してあった。
「これを着たい」すぐそう思った。
これが服飾作家イカラシチエ子との出会いだ。

わたしは、彼女を知ってから作品を知ったのではない。
作品を知ってから彼女を知った。
「結婚式に着たい」と申し出たドレスは、彼女にとって〝死装束〟だったらしい。
それでも構わないと思った。
わたしは、覚悟をもって「作品」として生み出された あのドレス を着たかった。
なにもかもがうまくいかなかった2013年のわたしを葬りたかったのかもしれない。そして三ヶ月後に控えた結婚式の日に、新しく生まれたかったのかもしれない。

あの日をきっかけに、彼女とのご縁は続いている。

〝世界中に精神的なへその緒で繋がっている双子のような人たちが散らばっている〟
と、こどもの時から信じている。
血の繋がりとは違う、自分の半身のような人たちがいるのだと。
彼女の作品を見たときに「見つけた」と思った。
彼女がどういう想いであのドレスを生み出したのか。
出会う以前の彼女のことを わたしは詳しく知らない。
しかし、あの時あのタイミングで彼女が打ったピリオドは
わたしの人生の新しい文節を生み出した。

友人とは違う。
ライバルとも違う。
姉のような…というのも違う。
年齢も性別も超えて、作家としての自分を刺激してくれる人だ。
哲学を思想を。わたしは彼女の作品から感じたいし、わたしも作品を通して伝えたい。
〝わたしのことを知ってもらいたい〟
彼女に対するその気持ちが、今回彼女の住む街で展示をするという行動につながった。
わたしが見たい景色を、彼女にも見せたい。
展示の理由はただそれだけだ。

それでいいではないか。と、思う。
そうやってこれからも、一緒に見たい光景がある。
作家として、人間として、動物として。
寄り添いたい人がいることの幸せに感謝するとともに、2013年に彼女が打った美しいピリオドに作家として敬意を表したい。
そう、わたしはつまるところ。
あの日から彼女に恋をしているのだ。
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