Psersonal record of experiences

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2017.12.31

あふれる。

ある、光。

薄いグラスの中に鏡みたいに透明な液体が満ちていく。
表面張力で膨らんだピカピカの膜が、ぷつんと音を立てて破れると
中の液体はグラスの縁をつたって木の香りがする升へ落ちていく。

日本酒が注がれていく景色が好きだ。
みちて、あふれて、こぼれる。
中身は変わらないとわかっていても、表面張力の膜を破ってこぼれた雫は注がれたものとは違うもののように思える。

今年一年、数え切れないくらいシャッターをきった。
いつだって、胸のなかに浮かぶ景色は 日本酒が注がれていくような
みちて、あふれて、こぼれる景色だった。
心の器に注がれるものが、みちて、あふれて、こぼれる。
こぼれた雫は、わたしの撮った写真になって様々な人の元へ旅立った。

今年もたくさんの人との出会いがあった。
別れもあった。育つ気持ちもあった。
変わりたいと思うこと、変わりたくないと思うことが見つかった。

いまはまだ、自分の中にとどめたいと思うけれど。
大事にしたい自分の信念は決して曲げないと2017年の終わりに誓う。
それはまるで北極星が動かぬように、わたしの真ん中で輝いているのだ。

日頃関わってくださる皆様に、心から感謝申し上げます。
本年も大変お世話になりました。
わたしのこぼれた雫たちをお持ちの方。
ぜひ、たくさん写真を撫でてください。
それは、あなたの顔が写っているかもしれない。
あなたの住む街の景色が写っているかもしれない。
見たことのない景色が写っているかもしれない。
愛しいものを、たくさんたくさん撫でるように、どうぞ撫でてください。
〝思い出にふれることができる。〟
これは、わたしが写真を愛してやまない理由のひとつだから。

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