光にとける。
- 2017.04.12
真ん丸の大きな瞳が〝きゅっ〟と三日月のように形を変える。
つやつやのほっぺに、心地よい高さの 柔らかでまろやかな まあるい声。
「もえこさんは、光にとけるんだね。」
そう言って笑うチエさんの輪郭はお日様に照らされて、世界とチエさんの境界線は滲んでいた。
一緒に歌を歌いながら、年甲斐もなくこどものように手を繋いで駅まで歩いた。
声は大気にとけて、きっとそれと一緒に愛もとけている。
わたしたちは愛を吸い込んで吐き出して生きてるんだね。
そんな話をふたりでして、一層大きな声で一番しかわからない歌を繰り返し歌った。
暖かな陽気と、美しい日差し。やわらかい鼻歌と、あたたかい手。
わたしの胸には抱っこ紐の中で眠る息子の温度。
ふたりで泣きながら、繋いだ手は大通りに出るまで離さなかった。
決して長い付き合いではない。
けれども、思い出がたくさんある。
たくさん笑って、たくさん泣いた。
叱られたこともあった。
追いつきたかった。
いつか胸を張って肩を並べたい。
そう思っていた。
〝きらきらひかるお空の星よ まばたきしてはみんなを見てる きらきらひかるお空の星よ〟
「二番、なんだったっけ〜?」 そう言いながらあの日歌った歌を、息子が拙い言葉でうれしそうに口ずさんでいる。
〝 きらきらひかるお空の星よ みんなの歌が届くといいな きらきらひかるお空の星よ〟
チエさん届いているだろうか。
一緒にやろうね。と、約束したことは責任を持って実現するよ。
いつかまた会ったときに胸を張れるように、わたしはわたしを生き抜くよ。
FacebookやInstagram、Twitterは確実に〝見られている〟という意識がある。
ここはきっと、ほんの少しの人が訪れているであろう場所。
読み返して「よくこんなこと書くな…」と思ったりもするけれど
、一手間かけてここへ辿り着いた人には
きちんといまの気持ちを知ってもらいたい。
いつも ありがとうございます。
こうして自分の気持ちを出せる場があることで、わたしはとても助けられています。