レンズ

  • 2021.12.08

息子は石が大好きだ。
最近ビー玉を手に入れて、いまはビー玉に夢中。
「こうするとビー玉の中に入ったみたいになるよ〜」と、ビー玉を目に乗せて嬉しそうにしている。
「ビー玉は世界がさかさまに映ってる!」と、はしゃいでいるので、「レンズ」を読んであげた。

“光は宇宙からくる手紙である。何万光年、何億光年という遠い星からはるばる私たちの目に届けられるただ一つの通信は、光である。”

冒頭のこの一文を読んだだけで目頭が熱くなってしまう。
「かかが撮る写真も日記も、未来へのお手紙だって、まえに言ってたから。同じこと言ってるね!」と、息子。
そのあとに「誰にわたす手紙?」と、聞かれたので
「それを見ようとしてくれた誰かかな。」と答えたら
「はてしないね〜!」と感心されて笑ってしまった。

果てしないことは、その言葉の通り果てがなく。だからこそずっと続けられるんじゃないかと思う。
「レンズ作ってみたいな」と、息子が言う。レンズ職人だったのはスピノザだったっけ?ひとまずはこの本を二人で熟読してみよう。と約束をする。

息子の移り変わる興味・関心の中でも、目を凝らすと変わらない何かが見えてくる。真似しようとしても真似られない違和感こそ個性であって、その人らしさなのだと気付かせてくれた。

さかさまに映るビー玉の景色を見て、なんでだろう?なんて思いもしなかった。
今度は鏡を持って外に出て、目の下に鏡を置いて歩くと、空を散歩しているみたいになることを教えてあげたい。