form

  • 2019.12.17 〜 12.23
  • Roonee247 fine arts

お風呂の中で、鏡に映った身体を見る。
暮らしがわたしを形作ってきたのだと、肉体の素直さに驚いてしまった。
わたしのフォルム。
美しい造形ではないけれども、わたしは自分のフォルムが好きだ。
いや。フォルムが好きなのではなく、フォルムという名の積み重なった暮らしをわたしは愛している。
生き物はみな、そうして形作られているのだと気がついたら世界がより尊いものに見えてきた。
波が砂浜をさらうように、水が石の形を変えていくように。
わたしのフォルムは日々という波によって少しづつ変容していく。
溶け合ったり、ちぎれたり。冷たくなったり、熱くなったり。柔らかくなったり、硬くなったり。
生きている限り止まることがないこの変化を、わたしはより一層楽しんでいこうと思う。
どんなフォルムも愛せる生き方を選んでいけばいいのだ。

些細なことでも、体感したことは必ず自分のなかに作用している。
不恰好な肉体で動かす身体では、みっともないフォームしか作れないかもしれない。
投げたボールは、美しい放物線を描かないかもしれない。
それでも、その動作はきっとわたしに新たな変化をもたらしてくれると確信している。

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2018年より、前年の一年間に撮影した日常の写真から抜粋してハンカチを製作する「繕い裁つ人」というプロジェクトをはじめました。
この展示では、2019年春に発表した「繕い裁つ人」と共に、オリジナルプリント・その写真を撮影した日の日記の3点で構成しました。